【 市民モデル条例案について 】


CUBE_SHIRO.GIF - 3,201BYTESザル法の「自治省モデル条例案」

 平成4年12月に国会議員の資産公開法が成立したのに伴い、地方自治体でも平成7年12月31日までに、資産公開条例を制定することとなった。同法第7条が、都道府県の首長と議員、政令指定都市の首長と議員、市長村長を対象として、国に準じた資産公開の条例化を義務づけていたからである。これを受けて自治省は、資産公開法に倣った「モデル条例案」なるものを作成し、都道府県の地方課を通じて同法並みの資産公開条例の制定に向けて行政指導を行ってきた。しかし、この「自治省モデル条例」は、@適用対象を一般市町村については首長に限り、A資産報告は項目が粗雑なうえ、本人名義のものだけとし、Bその真偽を審査する機関も、虚偽報告に対する罰則もないばかりか、C地位利用による私腹肥やしを禁じる政治倫理基準や、贈収賄に関する問責制度を欠き、D疑惑に対して住民の調査請求権も保障されないなど、その実効性を期待しがたいザル法というほかはない。


CUBE_SHIRO.GIF - 3,201BYTES「市民モデル条例案」は先進条例の最大公約数

 しかし、一方、先進的な自治体においては、かねて国の立法に先立ち、独自の厳しい政治倫理条例の制定を推しすすめてきた。すなわち、昭和58年の堺市条例を初めとして、現在では福岡県下で20数市町、熊本県下でも10数市町、佐賀、大分、宮崎、鹿児島の各県でも数市町が「独自条例」を持っている。また、自治省モデル条例案の提示後も、三役・議員等を対象とするより実効的な政治倫理条例を制定・改正した市町や、目下準備中の市町も少なくない。このことは、掛け声倒れに終わった国の「政治改革」に対する国民の深い失望と、草の根から「政治倫理の確立」を図ろうとする地域住民の強い願望の表れというべきであろう。今回作成した「政治倫理・市民モデル条例案」は、これら市町が独自に制定した政倫条例の実績を踏まえ、これを最大公約数的にまとめたものである。後を絶たぬ自治体の不正・腐敗を防止し、公正で開かれた地方政治の運営を図るため、全国各地で「政治倫理・市民モデル条例案」に沿った条例を制定することを強く期待する。